T-0507N

この椅子は日本人デザイナー水之江忠臣さん(1921〜1977)によってデザインされた椅子です。元々は神奈川県立美術館の閲覧室用に考案された椅子ですが、その後製造者である天童木工から販売されています。生み出されるまでに100以上の試作が繰り返されたという逸話が残っており、さらにカタログ掲載後、水之江さんが亡くなった後でもデザイナーの意思を継ぎ、日本人の体型の変化に合わせ椅子も微妙に変化し続けているという珍しい椅子です。とても素朴なデザインですが、さりげない佇まいから日本の一般住宅のダイニングや学習用の椅子に最適だと思っています。以前設計した知立の住宅ショールーム「ヒトイエ」にも納めましたが、私も自宅のダイニングや仕事場の打ち合わせスペースで使っています。座面は成型合板とクッションタイプがあります。こちらとセットでダイニングテーブルもあります。

サイドチェア T-0507N 天童木工(1955年)