No.14

今から160年前の1859年に生まれたミヒャエル・トーネットの曲げ木椅子「No.14」は2億脚以上も売られているベストセラーです。当時の革新的な技術により木を曲げることに成功し様々なデザインヴァリエーションを生み出してきました。後ろ脚から背にかけての部材、その内側の背当てに相当するU字形の部材、座面、座面の下の円形の貫、2本の前脚という6つの部材で構成されています。欧州各地で作られた部材は一度ウィーンに集められてから消費国にパーツの状態で輸出され、現地の工場で組み立てて塗装を行うノックダウンという方式が取ることでコストダウンが図られ、多くの人々の生活に浸透していきました。
写真は以前設計した知立の住宅ショールーム「ヒトイエ」に納めたものです。あれから技術革新進み木から金属に置き換わったスチールパイプ椅子などを普段私たちは目にしますが、原点がここにあるのだと思うととても感慨深い気持ちになります。

曲木ダイニングチェア No.14 チェコTON社製