敷居

敷居とは障子や襖などの建具をはめ込むための床に取り付く部材のこと。ちなみに建具の上に取り付く部材のことを鴨居と言います。敷居には建具のレールという役割のほかに部屋を区切るという役割もあります。
しきいと読む漢字には他に「閾」があります。「閾」は音読みではイキ・ヨク、訓読みではシキイ・クギると読みます。閾は出入口の境界線、門の内と外を区切る境界線を意味します。一般的にはあまり使われませんが、敷居と同じと考えても良いと思います。
敷居は跨ぐものであり踏むものではありません。敷居は建具のレールの役割であるためすり減らないように、また部屋を分ける結界のようなものです。そのそばにある畳の縁も同様です。縁はとても弱い部分ですし、ご家庭によっては家紋が入っているものもありますから踏めませんよね。物質的にも精神的にもデリケートな部分なのです。
余談ですが、「敷居が高い」とは相手に失礼なことをしてしまってその人の家に行きにくいという意味です。最近は格式や金額が高くてそのお店に行きにくいという場合によく使われますが、本来は違います。はじめは誤用でも多くの人が誤用することで本来の意味とは変わってしまう場合がよくあります。この場合はたとえば「ハードルが高い」という別の言い方もありますし、誤解を招く恐れがありますので相手のことを考えるとできるだけ誤用は避けたいです。