ナンナ・ディッツェルのダイニングチェア

デンマークの女性デザイナー ナンナ・ディッツェル(1923〜2005)がデザインしたダイニングチェア。非常にシンプルで無駄がないデザイン。また、四角から丸へと変化していく脚部のスタイルは、ナンナ・ディッツェルデザインの特徴。一般家庭のダイニングチェアとしての使いやすさを意識し、重量も軽く、凹凸の少ない基本最小限の部材パーツで構成されています。木のフレームに差し込まれている張地の納まりは秀逸。1955年の作品です。

1946年工芸美術学校卒業後、夫であるヨルゲン・ディッツェル氏(1961年没)と共に事務所を設立。その後ミラノトリエンナーレにて数々の賞を受賞。1960年ミラノトリエンナーレでは金賞を受賞(ジョージ・ジェンセン社のジュエリー)。
デザインには女性的な優しさや自然の美しさへの敬意が表れています。家具デザインとともにテキスタイルのデザインも行っています。
師であるコーア・クリントの「デザインに一番重要なことは機能と、その上に人間らしい感覚を結晶化することだ」という言葉は、ナンナにとって色褪せることはありませんでした。
ちなみに今日6/17はナンナの忌日です。亡くなる直前までデザインを手がけ、生涯現役を貫いた生き方にとても憧れます。