聖アンセルモ教会(目黒教会)

建築家アントニン・レーモンドは常に「五原則」という独自の基本理念を掲げて設計に臨みました。
五原則とは、
「自然」・・・宇宙の神秘や大自然の力を受け入れ、大自然と密接な関係にあることを願う。
「単純」・・・すべての不必要な材料を一切捨て去って、それ以上捨てる余地もなければ、それ以上追加する必要もないこと。
「正直」・・・外部の形は、内部の構造の正直な表現となる。
「直截」・・・分割された空間をできるだけ単純に再構成する。
「経済性」・・・何事も無駄にしないで長持ちさせる。
の5つのことをいいます。
1954年に建てられた聖アンセルモ教会(目黒教会)は鉄筋コンクリート造で、壁と天井はコンクリートの打ち放しで構造と仕上げを兼ねています。レーモンドの建築は木造の場合は柱と梁という「線」で構成し、鉄筋コンクリート造の場合は壁と天井という「面」で構成していることがわかります。レーモンドのいう五原則の「単純」と「正直」に沿った表現方法になっています。