瀧原宮
三重県大紀町にある瀧原宮(たきはらのみや)は伊勢神宮内宮の別宮で、背後の北側に山があり、神社の南側に東から西へ流れる川があることなどから瀧原宮は内宮のひな形であるという説もあります。ちなみに伊勢神宮の正式名称は地名も付けず「神宮」であり、現在は他の神宮と区別をつけるために伊勢神宮と呼ぶようになっています。(明治以降、天皇や皇室の祖先神を祀る神社の一部が社号を「神社」から「神宮」に改めた。第二次世界大戦終戦後は神社の国家管理が廃止されたため、「神宮」号を名乗る際に勅許は不要となった。)伊勢神宮とは、天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする内宮や天照大御神がお食事を司る豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りする外宮、それに瀧原宮のような別宮など125社を合わせた総称です。
瀧原宮に着くとまず鳥居をくぐり静かな杉林の参道を進みます。やがて橋が出てきて、その橋を渡り右へ石段を降りて行くと川が流れており、そこで手(身)を浄めます。ここは御手洗場(みたらしば)と呼ばれる場所で、手水舎(呼び方は、ちょうずや・ちょうずしゃ・てみずや・てみずしゃ)の原型と言われています。石段を登り参道に戻りさらに進むと、おそらく人の手に触れさせないようにということだと思いますが菰巻き(こもまき)のような形状で割った竹が巻かれたき大木が参道に現れます。やがて森が途切れ、玉石の敷かれた広い敷地に光の差し込んだお社が現れます。こちらが瀧原宮です。地面には白と黒の玉石が整然と敷かれ、本殿へ向かう道には白い石、その他の場所には黒い石が敷き詰められていてそのコントラストが美しく神秘的な情景を生み出しています。